保育園や幼稚園での過程を終え、大きな節目となる小学校入学。その際に、お子様の健康状態や発育状況を確認する就学前検診が行われます。検診では身体のことはもちろん、発達についての調査もあり、「特別な支援が必要であること」を、この検診で知る親御さんもいます。あるいは、入学して間もない時期に教員から呼び出され、お子様の特定の症状に関する相談を受ける場合もあります。
この「小学校入学」のタイミングで発見されやすい障がいが「ADHD(注意欠陥多動性障害)」です。(※ほかにもASD(自閉症スペクトラム障害)やLD(学習障害)、知的障害などありますが、今回は割愛し別の機会にご紹介します。)
ADHDとは、日本語で「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれ、“Attention Deficit/Hype-ractivity Disorder” の頭文字を取った疾患です。その症状名にあるように、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの特性があります。
今回の記事は、ADHDの特徴や症状について、またその後の対応方法の、大きく分けて2つのテーマをご説明いたします。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の特徴
入学前検診や入学間もない時期に気づきやすい
保育園や幼稚園で、比較的のびのびと過ごしていると「わんぱくで元気」「子どもらしい」と感じられるのみで、あまり「多動性」ということへ意識がいかないケースもあります。しかし小学校へ入ると、自分の意志とは無関係に「従うべきこと」「集団の中での個人」を経験せざるを得なくなり、ADHD傾向の強い子は「そこから外れ、目立つ存在」となります。この項目では、最新の「DSM(精神障害/疾患の診断・統計マニュアル)-5」から、具体的な診断基準チェックリストをご紹介します。
1.不注意
以下の6つ以上が年齢不相応に6か月以上持続する
- 細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。
- 注意を持続することが困難。
- 上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないよう見える。
- 指示に従えず、宿題などの課題を果たせない。
- 課題や活動を整理することができない。
- 精神的努力の持続が必要な課題を嫌う。
- 課題や活動に必要なものを忘れがちである。
- 外部からの刺激で注意散漫となりやすい。
- 日々の活動を忘れがちである。
2.多動性・衝動性
以下の6つ(17歳以上は5つ)以上が年齢不相応に6か月以上続く
- 着席時に、手足をもじもじ、そわそわした動きをする。
- 着席が期待されている場面で離席する。
- 不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする。
- 静かに遊んだり余暇を過ごすことができない。
- 衝動に駆られ動かされるように、じっとしていられない。
- しゃべりすぎる。
- 質問が終わる前にうっかり答え始める。
- 順番待ちが苦手である。
- 他の人の邪魔をしたり、割り込んだりする。
それに加えて
- これらの症状のいくつかが、12歳より前に見られた
- これらの症状のいくつかが、自宅と学校など状況の違う2つ以上の場所で見られる
- これらの症状は学校や職場での活動に明らかな障害となり、活動の質を低下させている明確な証拠がある。
- その症状は、統合失調症、またはほかの精神病障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患では説明されない。
もしADHDだった時の「これから」

ADHDにも程度がある
もしADHDだったら、全員が卒業まで特別支援学級に在籍するということはありません。親御さんによって判断が分かれることもありますし、なによりADHDは様々な程度があります。ADHD所有者でも大きなトラブルなく、学童期等を終える子もいます。
ADHDは改善される
ADHDの症状は改善することができます。それは「投薬」という方法も確立しているほか、「ふさわしい接し方・選択の仕方」によって、ずっと生きやすくすることができます。ADHD特性の一部である「多動性」「衝動性」は年齢を重ねるにつれ落ち着いてくることも多く、どちらかというと「不注意」項目の方が社会に出てから悩みの種になるようです。項目を一部見返すと、確かに「一般企業に所属したら問題になりそうな特性」が多く含まれています。
- 細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。
- 注意を持続することが困難。
- 上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないよう見える。
- 指示に従えず、宿題などの課題を果たせない。
- 課題や活動を整理することができない。
- 日々の活動を忘れがちである。
これらの不注意症状も、ある日突然消失することはありません。学童期からの療育や放課後等デイサービス利用などで改善を試みることが肝心です。乳児期の今でも、支援センターに相談を行なえば早期療育を勧めて貰えることもありますので、まずは自治体を頼ることが良いでしょう。療育に通うところまでは行かなくとも、専門の方が相談に乗ってくれるのでおすすめです。
ADHD症状が落ち着いても「忘れないで」
最近メディアやSNSで、「大人のADHD」や「自称ADHD」など、様々なワードと併用されて話題になるADHD。「大人のADHD」に関しては、学童期では発見されずに大人になってから受診し診断が下りた、ということなので、ある日突然ADHDになることはありません。従来の医学ではADHDを「軽視する疾患」「大人になると改善される疾患」と思われてきた歴史もあり、大人のADHD診察・治療に乗り出したのはここ最近の事なのです。大切なのはやや症状が落ち着いてきたとしても、診断されたらADHDを無かったことにせず、個人個人に適した選択をしていくことです。
検診で指摘されたら
ADHDかもしれないと指摘があったら、その方の指示に従い専門機関を通じて正式に見てもらうことが大切です。ADHDのほかにASD(自閉症スペクトラム障害)などが併発していることもありますので、自己判断は殆ど参考になりません。
ADHDではなく「性格」ということも
基本的に子どもたちは、動くことが楽しくて仕方ありません。更に好奇心旺盛な子は、「あれはなんだ!?」「触ってみたい!」とコロコロ思考が変わります。特に幼稚園やショッピングモールなど刺激が多いところでは顕著でしょう。
それでも、親の伝え方や指導により、「これはしちゃ駄目なんだ」「ここでは決まりごとがあるんだ」と、次第に「教育可能」な精神へと成熟していきます。ADHDではなく性格で済んだ場合も、引き続き「好奇心強い子向けの対策」をしていくことが大切です。
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