ADHDとは、日本語で「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれ、“Attention Deficit/Hype-ractivity Disorder” の頭文字を取ったものです。最近は、大人になってから診断され初めて知る「大人のADHD」などで広く話題になり、あらゆる世代に周知され始めていますね。その症状名にあるように、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの特性があります。
まず初めに言いたいのは、「ADHD的な特徴は、多くの乳児・幼児に当てはまる」ということです。もしかしたらこのサイトを閲覧している方は、「1歳半の息子がいつも動き回っている」など、ADHDを疑い、心配しているのではないでしょうか?
今回の記事は、「乳児期におけるADHDについて」と、「ADHD的な特徴・行動に対して実際に行う接し方」の、大きく分けて2つのテーマをご説明いたします。
乳児期におけるADHDの特徴とは
ADHDの診断は早くて4歳以降
冒頭でお話ししたとおり、乳児期で表れるADHD的行動には多くの乳児が該当します。そのため、「ADHDの診断がつく領域かもしれないし、そうではなく改善されていくかもしれない」ということ。この項目では、4歳以降で用いられる「DSM(精神障害/疾患の診断・統計マニュアル)-5」から、具体的な診断基準チェックリストをご紹介します。
1.不注意
以下の6つ以上が年齢不相応に6か月以上持続する
- 細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。
- 注意を持続することが困難。
- 上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないよう見える。
- 指示に従えず、宿題などの課題を果たせない。
- 課題や活動を整理することができない。
- 精神的努力の持続が必要な課題を嫌う。
- 課題や活動に必要なものを忘れがちである。
- 外部からの刺激で注意散漫となりやすい。
- 日々の活動を忘れがちである。
2.多動性・衝動性
以下の6つ(17歳以上は5つ)以上が年齢不相応に6か月以上続く
- 着席時に、手足をもじもじ、そわそわした動きをする。
- 着席が期待されている場面で離席する。
- 不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする。
- 静かに遊んだり余暇を過ごすことができない。
- 衝動に駆られ動かされるように、じっとしていられない。
- しゃべりすぎる。
- 質問が終わる前にうっかり答え始める。
- 順番待ちが苦手である。
- 他の人の邪魔をしたり、割り込んだりする。
それに加えて
- これらの症状のいくつかが、12歳より前に見られた
- これらの症状のいくつかが、自宅と学校など状況の違う2つ以上の場所で見られる
- これらの症状は学校や職場での活動に明らかな障害となり、活動の質を低下させている明確な証拠がある。
- その症状は、統合失調症、またはほかの精神病障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患では説明されない。
乳児期で気になる「ADHD的な行動」とは
乳幼児期の発達相談で良く挙げられるのは以下の項目です。
- 着席時に手足をもじもじ、そわそわした動きをする。
- 着席が期待されている場面で離席する。
- 不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする。
- 静かに遊んだり余暇を過ごすことができない。
- 衝動に駆られ動かされるように、じっとしていられない。
- 順番待ちが苦手である。
もしADHDだった時の「これから」
乳児期にはほとんど診断がつくことのないADHDですが、4歳以降から診断がつく可能性が出てきます。知識として簡単に「これから」のことをご紹介します。
ADHDは改善される
ADHDの症状は、改善することができます。それは「投薬」という方法も確立しているほか、「ふさわしい接し方・選択の仕方」によって、ずっと生きやすくすることができます。ADHD特性の一部である「多動性」「衝動性」は年齢を重ねるにつれ落ち着いてくることも多く、どちらかというと「不注意」項目の方が社会に出てから悩みの種になるようです。項目を一部見返すと、確かに「一般企業に所属したら問題になりそうな特性」が多く含まれています。
- 細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。
- 注意を持続することが困難。
- 上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないよう見える。
- 指示に従えず、宿題などの課題を果たせない。
- 課題や活動を整理することができない。
- 日々の活動を忘れがちである。
これらの不注意症状も、ある日突然消失することはありません。学童期からの療育や放課後等デイサービス利用などで改善を試みることが肝心です。乳児期の今でも、支援センターに相談を行なえば早期療育を勧めて貰えることもありますので、まずは自治体を頼ることが良いでしょう。療育に通うところまでは行かなくとも、専門の方が相談に乗ってくれるのでおすすめです。
ADHD症状が落ち着いても「忘れないで」
最近メディアやSNSで、「大人のADHD」や「自称ADHD」など、様々なワードと併用されて話題になるADHD。「大人のADHD」に関しては、学童期では発見されずに大人になってから受診し診断が下りた、ということなので、ある日突然ADHDになることはありません。従来の医学ではADHDを「軽視する疾患」「大人になると改善される疾患」と思われてきた歴史もあり、大人のADHD診察・治療に乗り出したのはここ最近の事なのです。大切なのはやや症状が落ち着いてきたとしても、診断されたらADHDを無かったことにせず、個人個人に適した選択をしていくことです。
家庭でできる「乳児期のADHD的行動」への接し方
うまくいかない時の方が多いかもしれませんが、対策選択肢の一つとしてお考えくださいね。
じっとしてほしい時は「やることを与える」
歩き始め・走り始めのころは、子どもたちは動くことが楽しくて仕方ありません。更に好奇心旺盛な子は、「あれはなんだ!?」「触ってみたい!」とコロコロ思考が変わります。特に普段の生活範囲ではない場所においては、「病院の奥はどうなっているんだろう?」「電車内はガタガタしてて面白い!」という「トクベツさ」が前面に出てきますね。
「病院は静かに待たなければならない」「日本の電車内は静かに過ごす」という社会倫理的なことは、まだわかるはずがありませんが、伝えることは大切です。わかりやすく簡潔に、短く伝えましょう。「〇〇ちゃん、病院ではママの横に座ってね」など、その子に合った話し方をしてあげましょう。
よほど聞き分けのいい子はそれで解決ですが、子どもが「手持ち無沙汰」な時は、常に楽しいものを探してしまいます。そのため、絵本や新しいおもちゃ、シールブックなど「やること」を与えましょう。子どものツボを突いた時、集中は途切れ途切れでもやってくれるかもしれません。
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毎日の流れをわかってもらうには「習慣づけ」
予定が決まっている日に限ってずっと部屋で遊んでいる、いつまで経っても着替えようとしない…乳幼児期によくあることですよね。子どもにとってとても大切なのが「習慣づけ」です。簡単なルールを作ると、乳幼児期の子どもの心と体は整いやすくなります。
時計や言葉で説明しても、2歳くらいまでの子はほとんどわからず、体感的にしか知らせることができません。そこで、絵付きのスケジュール例や、絵カードを使うことが効果的です。視覚に訴えることで、言葉を理解しにくいお子様も、言いたいことを理解しやすいです。
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まとめ
個別サポート・放課後等デイサービス
「うちの子はどうだろう?」「発達障がいかもしれないけど、相談してよい場所がわからない」「わんぱくな子供がずっと一緒だから外に出かけられない」…そんなお悩みがお待ちではないですか?群馬県高崎市近郊にお住まいの方は、一度お問い合わせくださいませ。
事業所について
放課後等デイサービスSUNは、群馬県高崎市の小学生向け放課後等デイサービスです。放課後預かり・長期預かりに対応し、「自ら考え行動すること」「明るく元気に挨拶すること」「誰にでも優しく接すること」を支援目標に、日々安全第一でお預かりしています。学習支援・スポーツ・コミュニケーショントレーニング・コグニティブトレーニング・調理実習・創作活動・季節イベント・余暇活動(遊び)など、幅広い体験を行なっています。
サン・ワークは、群馬県高崎市の小学校高学年・中学生・高校生向けの放課後等デイサービスです。就労準備型(就労支援・面接対策・就学支援含む)として群馬県内初の事業所です。ソーシャルスキルトレーニング・PCトレーニング・作業トレーニング・職場見学・実習体験・講習会・マナー講座・面接指導・ニュース解説・運動・創作活動・生活自立支援(買い物・炊事・洗濯・掃除などの基礎技能)・余暇活動と、今後一人で生きていくために必要なことを学習します。
相談支援事業所ほっとは、高崎市在住の身体障がい・知的障がい・精神障がい・発達障がいをおもちの方及びそのご家族や保護者、介助・介護者を対象にした相談窓口です。障がいのある方が自立した日常生活・社会生活を営むことができるよう ご本人様とそのご家族様が抱える課題のサポートや適切なサービス利用に向けて 細やかな支援を行います。
いずれも群馬県に事業所を設けております。お近くにお住まいで、ご興味のある方は一度お問い合わせくださいませ。見学等も可能です。