
ほとんどすべての子どもの思春期に訪れる「反抗期」。もともとイライラしやすい特性を持つお子さんの場合、それはより顕著なかたちで表れるケースがあります。今回は、「発達障がいのある子がイライラした時にうまくいった対応」をご紹介します。
先に申し上げたいのは、これらの方法は「すべての子に等しく効果的」ということではありません。人それぞれ個性特性があるように、その子に合ったアプローチで対応することが大切です。この項目の中で、お子様に合う対応があれば幸いです。
戦略的撤退編

イライラしたら離れ、お互いに落ち着くことを「事前に決めておく」
イライラしたら席を離れよう、というのはよく見られる手法であり、かつ比較的効果の高いやり方です。怒りは長時間持続しないことは近年の研究で分かっており、その実践が「アンガーマネジメント」というものなのですが、それはまたほかの記事でご紹介します。そこまでせずとも、まずは離れる。それだけで、怒りが落ち着く場合もあります。
しかし、何の前触れもなくいきなり退席すると、びっくりしてしまう子もいます。事前に二人の間で「イライラすると、私もあなたもきちんと言いたいことが言えなくなるから、落ち着くまで少し離れるようにしよう」と取り決めておくとなお良いです。
興奮状態を無視をするフリをし、静寂を待つ。その後、静かに話す
ヒートアップした反抗期の子は、きわめて興奮状態になることも。離席するとさらにパワーアップしそうなときは、その場にいながら敢えて応答せず、相手が落ち着くのを待ちます。これは結構母親のメンタルに応えますが、お子さんの負のパワーを発出しながらも「そばにいてくれる」安心感を出せます。しかし、その場にいる方がお子さんにとってストレスになる場合もありますので、お子さんの個性に合わせて対応してください。
別室など落ち着ける場所を作っておき、一時的にそこへ行かせる
その子の好きなものや落ち着けるものに囲まれた場所を作っておくのも一つの手です。子供部屋というパターンもありますが、いつもは入らせない特別なスペースなどだと、子どもの意識も逸れながら心が落ち着いていく場合があります。落ち着いた後話しかけるなら、子どもの心に寄り添った内容から始めると良いでしょう。批判や非難から入ると、再び嵐になる可能性があります。
言葉かけ・聞く姿勢の工夫編

まずは全部話を聞き、落ち着いてから話す
同じことや、あるいは話の中で矛盾することを言っていたとしても、まずはすべて聞いてあげます。反抗期はエネルギーの発出的側面があるので、ひとしきり意見を言えたら少し落ち着く場合があります。話を遮って非難・指摘をしても逆効果なケースも多い印象です。落ち着いたら、お子さんの意見に寄り添った導入から話し始め、だんだんと核心的内容に触れていくと良いでしょう。
話題を切り替え、気持ちを他に向ける
話の内容に「指導すべきこと」が含まれず、ただイライラしてしまっている場合は、話題を切替えて気持ちを他に向けることも効果的です。露骨に切り替えても「話を聞いていないのか?」と余計怒ってしまうこともあり得るので、「〇〇と言えば・・・」と連想的に話題を逸らすか、あるいは電話が鳴ったフリなどで故意に状況を変えると良いかもしれません。また、その子が怒り出しそうな気配を感じたら、事前に話題を変えておくことも事態回避につながります。
身体に触れながら話す
これは特に個人差がありますが、その子に触れながら話す方が落ち着いて対応できる場合があります。イライラして体が硬直したり、納まりの悪い心地になっているときに、体の部分をもみほぐしたり、背をさすったりするとホッとする子もいます。「触れるな!!」となる子もいますので、(繰り返しになりますが)個性に合わせて対応してください。
「大丈夫」という言葉かけを繰り返し行う
完全に「キレて」しまって、興奮状態が続く場合は、背をさすったりしながら「大丈夫」と繰り返すことも、効果のある子がいます。やり場のない怒りで自失的になってしまうと、冷静な話や応答は受け付けられなくなります。そうすると、シンプルな「大丈夫」という語の繰り返しにより落ち着かせることができたりします。
イライラの事前・事後対策編

イライラした時の状況と、その時の対応を書き留める
お子さんの怒りの矛先には、ある程度のパターンが決まっていることがあります。どういうことに腹を立てやすいのか、ノートなどに記録しておくと傾向が見えることも。また、そのノートを子どもと共有し、同じ状況になった時に振り替えることが効果的だったという報告もあります。共有するかどうかは各個性により変わりますが、状況把握はとても大切なことです。
イライラさせる要因を、可能な範囲事前に取り除く
取り除けるものは、事前に取り除いてしまいましょう。音への敏感さや行動範囲が狭いことへの圧迫感・緊張感など、ある程度大人が変更できるものは、彼らの個性に合わせて対応すると良いです。
イライラしそうになったら、好きな言葉をかける
イライラしそうな雰囲気を察知したら、その子の好きな「誉め言葉」をかけると良い場合があります。「〇〇が一人でできるとは、大したものだ!」「お洋服可愛いね。自分で選んだなんてすごいな!」など、好きな誉め言葉は人によって違いますし、かつ具体的にほめると、いい気持ちになります。また、その子の好きな話題を知っていれば、その話を振っても良いでしょう。「〇〇自動車の新型が発表されたのね。見た?」など、「そう!その話がしたい!!」という気持ちにさせれば、イライラはどこかへ行ってしまいます。
まとめ

いかがでしたか?冒頭にも記載いたしましたが、これらの対処法はあくまでも「ほかの子がうまくいった一例」にすぎません。発達障がいの有無にかかわらず、反抗期は皆訪れ、またそれぞれの怒りポイントは異なります。色々な対応をしてみて、ご自身のお子様に合ったアプローチをおこなっていきましょう。
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