【幼児】走り回る・じっとしていられない子どもへの対応6選・ADHD(注意欠陥多動性障害)の疑いは?

【幼児】走り回る・じっとしていられない子どもへの対応6選・ADHD(注意欠陥多動性障害)の疑いは?

走っちゃいけないところで走り回ってしまう。待っていてと言っても待ってくれない。保育園児・幼稚園児くらいのお子さんだと良く聞く話ですね。しかし、お母さん・お父さんからしたら結構困ってしまうもの。

今回は「走っちゃいけないところで走りたがる子への接し方」をご紹介します。これらのお試し案は、「すべての子に効くもの」ではなく、「ある子に試したらうまくいったことがある例」にすぎません。参考として日常に取り入れていただき、うまくいく時があれば幸いです。

また、走り回る子どもを見て親が心配しがちな「ADHD(注意欠陥多動性障害)」の診断についても触れてお話しします。



走っちゃいけないところで走る子へ

座る場所を明確に用意する

大人でも、自分の座る場所が明確でないと落ち着かなかったり、自分の名前の入った座席を用意されればそこへ腰をかけたくなります。手を加えられるシーンでは座るところにお気に入りのマークを付けたり、また外や施設内、病院などではお気に入りの座布団を持っていき、「ここが〇〇ちゃん専用のお椅子だよ」と、座る場所を明確に用意しましょう。座ること自体を嫌がる場合の導入にぴったりのアプローチです。

やることを与える

上記の手段で座る子も、座らない子も「することがない」状態は苦手です。お気に入りの絵本やおもちゃを与えたり、あるいは状況に合わせて音楽・動画を一緒に見るのも良いでしょう。ポイントは「一人でただ見せる」のではなく、お母さん・お父さんも一緒になって「今の面白かったね!」などと関わるとなおさら効果的になり得ます。

「手をつなぐ」ことが良いことだと伝える

手繋ぎを嫌がる子は多くいます。もともと接することが嫌な子もいる中で、「不自由になってしまうからいやだ」などの理由で嫌がる子もいるでしょう。「手をつなぐと影が一つに重なるよ」「手をつなぐと暖かいね」など、お子さんに合わせた声がけを行いつつ、「私は手をつなぐの大好きなの。繋いでくれて嬉しすぎる!」と肯定的な気持ちを伝えることも一つです。繋いでくれた日があったら、たくさんほめてあげましょう。

「カメさん・うさぎさん速さ」など速度感覚を教える

保育園児(3歳未満児)さんや年少さんは特に、走ることが楽しくて仕方ありません。広いホールに出たら走るし、スーパーで好きな魚肉ソーセージが目に入れば一直線。感情とからだのコントロールがまだ整っていないので、いたって自然な行動原理ですが、「速度感覚」を教え始めて良い時期です。親も並んで歩き、「これはカメさんスピード…」「これはうさぎさん!!」と、遊びながら「速度を調整すること」を体験させます。それに親しむことができれば、「スーパーでうさぎさんは、他の人に当たっちゃうね。カメさんならちゃんとたどり着けるね」「カメさんスピードで行こう」と、段階的に教えます。

ひも付きリュックを背負ってもらう

どんな手段を通しても、走りたい衝動を抑えられない時もあります。そのような時、毎回公園など広いところへ連れていけるわけではありませんね。駅や病院、ショッピングモールなど、走らない方がよく、かつ迷子になってしまいがちな場所で手をつないでくれない時はお助けアイテム、ひも付きリュックです。

ちょっと前までは「リードをつけているの?」などと人の心を察しない物言いをされたことがあるようですが、素敵なデザインも増えていることもあり採用するご家庭も増えていて、ショッピングモールへ行けば割と見かけます。お父さん・お母さんも安心して歩き、子どもとの時間を楽しむことができれば、それが何よりなのです。

買い物リストを渡し、一緒に選んでもらう

すでに何度も例として登場させたスーパー、走り出す子にとっても鬼門と言えるでしょう。そのようなスーパーならではの対策として、イラストで「買い物リスト」を簡単に作成し、お子さんに持たせます。(多すぎると混乱するうえ、荷物が大変なので少量から始めると良いです)

「あと何を買えばいいんだっけ?」「えーとね!トマト!」など、宝探し感覚で楽しんでくれるお子さんもいます。中には、ピーマンなど苦手なものがある場合は大泣きしたり、ボイコットしてしまう子もいるので、毎回楽しめるわけではありません。また、当然通過するお菓子売り場やジュースコーナーは、家族内の方針があると思いますが、「1個だけ選んでいい」と書いておいて、2つ以上で迷ったら取捨選択してもらう方法が、最もポピュラーでしょうか。

その子に合わせて対応を

走っちゃいけないところで走る子への支援

冒頭にも記載いたしましたが、これらの対処法はあくまでも「ほかの子がうまくいった一例」にすぎません。走ってしまう衝動の強さ、柔軟さ、対応可能ポイントはそれぞれの子によって異なります。色々な対応をしてみて、ご自身のお子様に合ったアプローチをおこないましょう。

次に、走り回る子どもを持つ親御さんのなかで気になる方が多い「ADHD(注意欠陥多動性障害)」との関連について説明します。

じっとしていられないのはADHD?

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは

ADHDとは、日本語で「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれ、“Attention Deficit/Hype-ractivity Disorder” の頭文字を取った疾患です。その症状名にあるように、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの特性があります。3~4歳ごろから集団生活・集団意識が始まることで、それがただの性格なのか、あるいはADHD(注意欠陥多動性障害)の特性なのかがわかり始めます。

ADHD診断チェックリスト(DSM-5)

2歳ごろまでの乳児期では、ADHD的行動には多くの乳児が該当します。そのため、「ADHDの診断がつく領域かもしれないし、そうではなく改善されていくかもしれない」という状態でした。しかし、幼稚園に入学する3歳~4歳ごろから正式な診断がつき始めます。この項目では、最新の「DSM(精神障害/疾患の診断・統計マニュアル)-5」から、具体的な診断基準チェックリストをご紹介します。

1.不注意

以下の6つ以上が年齢不相応に6か月以上持続する

  • 細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。
  • 注意を持続することが困難。
  • 上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないよう見える。
  • 指示に従えず、宿題などの課題を果たせない。
  • 課題や活動を整理することができない。
  • 精神的努力の持続が必要な課題を嫌う。
  • 課題や活動に必要なものを忘れがちである。
  • 外部からの刺激で注意散漫となりやすい。
  • 日々の活動を忘れがちである。

2.多動性・衝動性

以下の6つ(17歳以上は5つ)以上が年齢不相応に6か月以上続く

  • 着席時に、手足をもじもじ、そわそわした動きをする。
  • 着席が期待されている場面で離席する。
  • 不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする。
  • 静かに遊んだり余暇を過ごすことができない。
  • 衝動に駆られ動かされるように、じっとしていられない。
  • しゃべりすぎる。
  • 質問が終わる前にうっかり答え始める。
  • 順番待ちが苦手である。
  • 他の人の邪魔をしたり、割り込んだりする。

それに加えて

  • これらの症状のいくつかが、12歳より前に見られた
  • これらの症状のいくつかが、自宅と学校など状況の違う2つ以上の場所で見られる
  • これらの症状は学校や職場での活動に明らかな障害となり、活動の質を低下させている明確な証拠がある。
  • その症状は、統合失調症、またはほかの精神病障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患では説明されない。

セルフチェックは参考にならない

チェックリストを載せておきながら、あえて断言しますがセルフチェックは参考になりません。じっとしていられないから、注意散漫だから、チェックリストに該当してるように思えるから即ちADHDということではないのです。だからこそ、気になったら地域の専門機関を訪ねることが大切です。

場合によっては療育が始まるかもしれませんし、その特性は見られないと診断されるかもしれません。お子さんが該当するかどうかはインターネット上に答えはなく、直接見てもらうことにあります。相談先は「自治体名 発達相談」などで検索すると上位ヒットします。(位置情報をオンにして検索するとスムーズです。)

個別サポート・放課後等デイサービス

このコラムサイト『たいようの手帖』は、群馬県高崎市に存在する放課後等デイサービス「サン」グループの合同会社ジェニュインが運営しており、年齢に応じた発達障害の相談を受け付けています。

 

「うちの子はどうだろう?」「発達障がいかもしれないけど、相談してよい場所がわからない」「わんぱくな子供がずっと一緒だから外に出かけられない」…そんなお悩みがお待ちではないですか?群馬県高崎市近郊にお住まいの方は、一度お問い合わせくださいませ。

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放課後等デイサービスSUNは、群馬県高崎市の小学生向け放課後等デイサービスです。放課後預かり・長期預かりに対応し、「自ら考え行動すること」「明るく元気に挨拶すること」「誰にでも優しく接すること」を支援目標に、日々安全第一でお預かりしています。学習支援・スポーツ・コミュニケーショントレーニング・コグニティブトレーニング・調理実習・創作活動・季節イベント・余暇活動(遊び)など、幅広い体験を行なっています。

 

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相談支援事業所ほっと

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