0歳~2歳:ASD(自閉症スペクトラム障害)兆候が表れる?疑った時の接し方・考え方

ASDとは、日本語で「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれ、“Autism Spectrum Disorder” の頭文字を取ったものです。「自閉症」とだけ聞くと、確率が低く遠い疾患に思われがちですが、最近注目を浴びている「アスペルガー障害」という症状は、このASD「自閉症スペクトラム障害」の一部とされています。

今回の記事は、「乳児期で気になるASDについて」と、「ASD的な特徴・行動に対して実際に行う接し方・考え方」の、大きく分けて2つのテーマをご説明いたします。

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息子く~ん、そろそろおしまいにしよう~!
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名指しの声掛けも安定の無視・・・電車遊びにこだわって、他のことを始めようとするとギャン泣きになるし、もうどうしたら・・・
お困りのようですね
わ!!誰!?
通りすがりの社会福祉士です。お母さん、今2歳のお子さんの様子にお悩みですか?
そうなんです。こだわりが強くて。実はきちんとした発語もまだほとんどなくて、何となく喃語というか。もしかして、なにか障害があるのかな、なんて思っています。
お子さんの一挙一動や発育ペースは、とても気になるものですよね。お母さんが心配されている障がいは「自閉症スペクトラム障害」の事かと思いますので、今回は簡単に説明させていただきますね。
ちなみに、「落ち着きのない」「じっとしててくれない」などの特性を持つお子様を「ADHD」と懸念されている場合は、こちらの記事が参考になります。ぜひご覧ください。
目次

乳児期におけるASDの特徴とは

ASDの診断は幼児期以降

ASD(自閉症スペクトラム障害)は生まれながらの疾患で、対人関係が不得手であったり、強いこだわりがあることがよく特徴として挙げられます。幼児期ごろから症状が明らかになることが多いです。出現頻度は最新の研究で「1%程度」という報告があります。知的障害を伴う例もありますが、ASDでは正常以上の知能を持つケースも存在します。この項目では、「DSM(精神障害/疾患の診断・統計マニュアル)-5」から、具体的な診断基準チェックリストをご紹介します。

以下のA,B,C,Dを満たしていること

A. 社会的コミュニケーション及び相互関係における持続的障害
  1. 社会的・情緒的な相互関係の障害
  2. 他社との交流に用いられる非言語的コミュニケーションの障害
  3. 年齢相応の対人関係性の発達や維持の障害
B. 限定された反復する様式の行動、興味、活動(以下の2点以上が該当)
  1. 情動的で反復的な運動動作や物体の使用、あるいは話し方
  2. 同一性へのこだわり、日常動作への融通の利かない執着、言語・非言語上の儀式的なパターン
  3. 集中度・焦点付けが異常に強くて限定的であり、固定された興味がある
  4. 感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性、あるいは感覚に対する普通以上の関心
C. 症状は発達早期の段階で必ず出現するが、のちになって明らかになるものもある
D. 症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている
先生、言葉が難しくてわかりません!!
より確実な情報を出したいがために、DCM-5の原文翻訳をそのまま引用しました。わかりにくくて申し訳ございません。
それでは、乳幼児ママ・パパ向けに改めて、具体的な言い方でお話しします。

乳児期で気になる「ASDの兆候」とは

  • 発語が年齢と不相応に遅れている
  • 指差しをせず、保育者の手を対象へ持っていく(クレーン現象)
  • 目線を合わせられない、合わせたがらない
  • 名前を呼んでも振り向かない
  • 同年齢の子や親世代など、どの他者への興味も薄い
  • ママ・パパと離れて一人でずっと遊べる
  • 他に色々用意しても、同じおもちゃで同じ遊び方を行う
  • 集中しすぎていることがあり、乱されることを嫌う
  • 自分の習慣やルール、順番などのこだわりが強い
  • 感覚要求が強い(クルクル回ったりし続ける)
  • 感覚的なものに敏感すぎる(汚れや水をひどく嫌うなど)
  • あるいは鈍感すぎる(明らかな痛みを持っていても泣かない)
  • スキンシップを拒否する・抱っこできない
この項目のいくつかが当てはまったらASD決定ということではありません。結果的にASDと診断された方の、乳幼児期の一例に過ぎないので、実際の診断はきちんと医療機関や支援センター等で受ける必要があります。

家庭でできる「乳児期のASD的行動」への接し方

自閉症スペクトラム障害とは?高崎市

習慣づけに大切な「視覚的なサポート」

予定が決まっている日に限ってずっと部屋で遊んでいる、いつまで経っても着替えようとしない…乳幼児期によくあることですよね。子どもにとってとても大切なのが「習慣づけ」です。簡単なルールを作ると、乳幼児期の子どもの心と体は整いやすくなります。

時計や言葉で説明しても、2歳くらいまでの子はほとんどわからず、体感的にしか知らせることができません。そこで、絵付きのスケジュール例や、絵カードを使うことが効果的です。

まとめ

いかがでしたか?乳児期のASDについて、少し参考になりましたか?
はい!息子の様子が当てはまる項目もあるな、と思いました。でも思っただけで「どうしよう」と落ち込むのではなく、しかるべき対応をしていくために行動していこうと思います。
療育へ通うことで、症状が改善されていく例も多くあります。応援しています!

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